2019年10月13日

表現よみの記号づけテキストの公開=(1)国木田独歩『春の鳥』

 表現よみの表現のためには「記号づけ」という作業が不可欠である。文学作品の文章を声に表現するときには、その準備作業として必要なものである。その詳しい方法は、渡辺知明『朗読の教科書―豊かな日本語表現の技術』(2012パンローリング社)に書かれている。
 かつて、浄瑠璃にはいろいろな流派があったが、そのなかで「義太夫」が生き残ったのは、独特の書き込みがあったからだということだ。わたしの手元には、カルチャー教室でテキストとした多くの記号づけの記録がある。今回、決意を新たにして、それをすべて無料で公開することにした。まずは、2008年8月、国木田独歩『春の鳥』である。これを見ながら読むことによって、作品の表現よみのポイントが理解できるのである。
(1)国木田独歩『春の鳥』PDFテキスト
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2019年10月05日

第36回渡辺知明表現よみ独演会―太宰治&中島敦生誕110年―

 2019年は太宰治と中島敦の生誕110年の年である。中島敦は戦中に33歳で亡くなり、太宰治は戦後に39歳で亡くなった。終戦を挟んだ6年という期間について考えてみたい。
 戦中の2人の作品を読みながら、2人が共有していた時代精神と生の姿をとらえて、お話しするつもりである。中島敦では、「南洋譚」から「幸福」「夫婦」「」について取り上げたい。この時期の太宰治の作品は「十二月八日」と中期の「お伽草紙」「新釈諸国噺」シリーズ12作品のいずれかである。
 中島敦は、昭和16年7月からパラオに滞在した。そこで12月8日の日米開戦を知る。その三年後、昭和19年4月、わたしの父がパラオに上陸した。そして、終戦まで現地で過ごしたのだ。
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2019年09月30日

読書は一行の読みから始まる=渡辺知明『読書の教科書』

 読書とは本を読むことだが、本の単位は一文一文の理解である。それが、渡辺知明『読書の教科書―精読のすすめ』の考えである。
 室生犀星の随筆『女ひと』には、「女の人に物ををおくるということはたいへん嬉しいものである。」という一文がある。それを、どのように理解して読んでいくのだろうか。わたしの実行した読みの一例が6ページにわたって書かれている。それは、あらゆる読書の方法に応用できる。
「女ひと」の一行s.jpg
 
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2019年09月04日

19年9月14日(土)『読書の教科書―精読のすすめ』を読書する

 2019年9月14日(土)日本コトバの会で、渡辺知明著『読書の教科書―精読のすすめ』の読書会を開催する。
(1)渡辺知明によるお話「読書論・読書法・読書術」について、(2)『読書の教科書』について質疑応答など。
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2019年08月07日

第37回表現よみオーの会公演チラシ

 2019年9月1日(日)第37回表現よみオーの会公演のチラシをアップした。
 今年は、太宰治&中島敦の生誕110年である。この2人の作品を始めとして、夏目漱石、芥川龍之介、樋口一葉、志賀直哉の作品を取り上げる。
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2019年07月31日

渡辺知明の表現よみで「アリスの世界を楽しむ」

2019年8月18日(日)富岡市立美術館で、渡辺知明が『不思議の国のアリス』にちなんだ作品の表現よみ公演を開催します。
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2019年の公演・前半
2019年の公演・後半
2015年の公演YouTube動画
2013年「虔十公園林」動画
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2019年07月30日

渡辺知明の著作パンフレットシリーズの紹介

 渡辺知明の書いた論文をパンフレットのかたちで頒布します。出版事情の厳しい現代において、私の考えをみなさんに広げたいと思ってはじめました。どれもA4版簡易製本で64ページに統一してあります。
 2冊以上からご注文いただければ郵送でお送りいたします。注文に応じて作製しますので一週間程お待ちください。準備中のものは1カ月ほどの期間が必要です。まずは、お問い合わせをお待ちいたします。電子メール:w-tomo@tokyo.email.ne.jp
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2019年07月17日

渡辺知明著『読書の教科書―精読のすすめ』について

 2019年5月の「月刊はなしがい通信」に、『読書の教科書―精読のすすめ』の執筆のまとめを書いた。わたしがなぜ、読書についての本を「教科書」として書いたのかということが書かれている。
「はなしがい通信」年度別サイト
「はなしがい通信」文献別サイト
「はなしがい通信」購読ご希望の方は、郵便振替口座へ年間購読料1,500円を納入ください。
 加入者名:コトバ表現研究所、口座番号:00130-6-577697
2019年5月「はなしがい通信」394号(pdfファイル)
posted by 渡辺知明 at 07:34| Comment(0) | 『読書の教科書』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月15日

単語アクセントと文アクセントの比較表=渡辺知明『朗読の教科書』から

 アクセントの重要問題は二つある。一つは、高低か強弱かという問題、もう一つは、単語にあるか文にあるかという問題だ。
 わたしは、単語アクセントを「悪戦苦闘辞典」と呼んでいる。文から単語を取り出してアクセントを確認すると、さまざまな例外が出てくる。とくに、助詞の接続については、さまざまな規則が立てられている。それは複雑過ぎて実践には役立たない。
 ところが、文においてアクセントが決定されると考えると、アクセントの問題はじつに単純になるのである。その原理を、わたしは『朗読の教科書』で、強弱アクセントと2音3音区切りによる原理で解説している。
 アクセント辞典で確認したアクセントを文にはめ込んでも、必ず隙間がでてくるのだ。それを解説した表が、『朗読の教科書』123ページに掲載されている。
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2019年07月12日

渡辺知明著『読書の教科書』の接続語一覧表

 渡辺知明著『読書の教科書―精読のすすめ』には、読書のための接続語一覧表が掲載されている。だれもが国語の試験で、接続語の穴埋めの問題を解いた経験があるだろう。
 「印つけ」の読書法では、接続語を四角で囲むことによって、文章の論理的な接続が把握できる。そのための手がかりになるのが、接続語の論理的なはたらきによる一覧表である。
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posted by 渡辺知明 at 08:07| Comment(0) | 『読書の教科書』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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