2020年02月06日

第38回表現よみオーの会チラシ

2020年3月1日(日)第38回表現よみオーの会のチラシ
大崎チラシ38.jpg
posted by 渡辺知明 at 12:21| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月05日

第36回渡辺知明表現よみ独演会―太宰治&中島敦生誕110年―

 2019年は太宰治と中島敦の生誕110年の年である。中島敦は戦中に33歳で亡くなり、太宰治は戦後に39歳で亡くなった。終戦を挟んだ6年という期間について考えてみたい。
 戦中の2人の作品を読みながら、2人が共有していた時代精神と生の姿をとらえて、お話しするつもりである。中島敦では、「南洋譚」から「幸福」「夫婦」「」について取り上げたい。この時期の太宰治の作品は「十二月八日」と中期の「お伽草紙」「新釈諸国噺」シリーズ12作品のいずれかである。
 中島敦は、昭和16年7月からパラオに滞在した。そこで12月8日の日米開戦を知る。その三年後、昭和19年4月、わたしの父がパラオに上陸した。そして、終戦まで現地で過ごしたのだ。
191103dokuenn36s.jpg
第36回演目一覧.jpg
posted by 渡辺知明 at 08:11| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月07日

第37回表現よみオーの会公演チラシ

 2019年9月1日(日)第37回表現よみオーの会公演のチラシをアップした。
 今年は、太宰治&中島敦の生誕110年である。この2人の作品を始めとして、夏目漱石、芥川龍之介、樋口一葉、志賀直哉の作品を取り上げる。
第37回オーの会チラシs.jpg
posted by 渡辺知明 at 11:42| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月31日

渡辺知明の表現よみで「アリスの世界を楽しむ」

2019年8月18日(日)富岡市立美術館で、渡辺知明が『不思議の国のアリス』にちなんだ作品の表現よみ公演を開催します。
190818富岡アリスチラシs.jpg
2019年の公演・前半
2019年の公演・後半
2015年の公演YouTube動画
2013年「虔十公園林」動画
posted by 渡辺知明 at 16:29| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月06日

「詩の読み方の記号づけ」レジュメの公開=渡辺知明

2019年5月4日(土)日本コトバの会の総会の場で配布した「詩の読み方の記号づけ」のレジュメを公開する。
YouTubeの解説動画https://youtu.be/4cJGFCqv540
詩の読み方レジュメs.jpg
posted by 渡辺知明 at 08:49| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月08日

第35回渡辺知明表現よみ独演会=日本文学に描かれた人間の生(せい)

 2019年6月2日(日)に第35回渡辺知明独演会を開催します。
 表現よみによって、夏目漱石、太宰治、梶井基次郎、中島敦の作品をとりあげて、日本文学の根本にある人間の生き方を話題にいたします。
 今、この時代に何よりも問われているのは、外部の事情よりも人間そのものの「生(せい)」という生き方の問題だと思います。
190602独演会35回チラシss.jpg
posted by 渡辺知明 at 06:49| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月09日

2019年3月21日(金)えびなコトバの会第4回表現よみ発表会

2019年3月21日(金)えびなコトバの会の第4回表現よみ発表会。
 表現よみを目指す学びと実習の5年目を迎える。4四年間の成果を発表する。
●発表作品=芥川龍之介「鼻」、井上靖「しろばんば」、森鴎外「高瀬舟」、野上弥生子「漱石先生の思い出」、井伏鱒二「黒い雨」、新美南吉「手袋を買いに」、武者小路実篤「お目出たき人」、ドラマリーディング=太宰治「舌切雀(お伽草紙)」など。
 最後に、渡辺知明の表現よみと理論解説がある。
190321えびな第4回s.jpg
posted by 渡辺知明 at 21:53| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月06日

第36回表現よみオーの会公演チラシ

2019年3月3日(日)第36回表現よみオーの会公演チラシをアップする。
今回は、太宰治、夏目漱石の作品からそれぞれ3作品、それに加えて日本文学の名作を取り上げる。
oonokai36s.jpg
posted by 渡辺知明 at 14:47| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月05日

表現よみ記号づけの一覧表

 文学作品を表現よみするための「記号づけ」というものがある。小学生からおとなまで、だれでもつけられる記号を10通り取り上げている。
「記号づけ」には2つのはたらきがある。(1)文学作品の分析、(2)音声化の手がかりとなるのである。
●YouTubeでの解説動画=(1)表現よみの評価、(2)イントネーションとアクセント、(3)係り受けとイントネーション
https://www.youtube.com/watch?v=Jiugtw0JATc&t=1s
https://www.youtube.com/watch?v=O2EpK2SDpNI&t=46s
https://www.youtube.com/watch?v=OcCU1IWDuCo
記号づけ一覧.jpgへびのウロコs.jpg
●参考文献=渡辺知明著『表現よみとは何か―朗読で楽しむ文学の世界』(1995明治図書出版)、『朗読の教科書―豊かな日本語表現の技術』(2012パンローリング社)、『声を鍛える』(2017芸術新聞社)
posted by 渡辺知明 at 08:16| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月03日

渡辺知明が表現よみの「記号づけ」をしたテキストを販売!

 かつてさまざまな浄瑠璃の流派のなかで「義太夫節」が生き残ったのは、その「読み本」に記号がつけてあったからだ。私の提唱する表現よみでは「記号づけ」は欠かせないものである。二十年来、講義を続けてきたカルチャー教室には記号づけされテキストが残っている。欠席した受講生は、あとからこのテキストをもらうことによって、すぐにひとりで復習ができるのである。
 今回、下記の表現よみ記号づけのテキストを一般の方々にも販売することにした。音楽の世界では楽譜が売られている。朗読の世界で、よりよい読み方をするためには、表現よみの記号づけテキストで学べばよいのである。アクセント、イントネーション、プロミネンスの表現はもちろん、それぞれの作品の読みどころが見えてくるような記号がつけられている。
 渡辺知明著『朗読の教科書―豊かな日本語表現の技術』(2012パンローリング社)の記号づけ解説と合わせて読むことによって簡単に表現の技術を身につけられるのである。1作品はA4版タテ2段組み4ページから6ページ。右下は太宰治「喧嘩次郎兵衛」の見本。
 現在入手可能なテキストの一覧を下記に示した。ご希望の方は、2作品まとめて500円を郵便振替で振り込んでくだされば、PDFファイルでお送りする。@氏名、Aメールアドレス、B希望作品を記入のこと。コトバ表現研究所:00130-6-577697
喧嘩次郎兵衛(2).jpg喧嘩次郎兵衛(1).jpg
◎表現よみ記号づけテキストPDF
(2019年1月3日現在)
 年月  作品   作者
・0812富嶽百景・前半/太宰治
・0902富嶽百景・後半/太宰治
・0906オツベルと象/宮澤賢治
・0912檸檬/梶井基次郎
・1004正義派/志賀直哉
・1006カチカチ山/太宰治
・1010忘れ得ぬ人/国木田独歩
・1105古典のかきだし/徒然草/序段、枕草子/春はあけぼの、方丈記/序、源氏物語/冒頭、平家物語/冒頭、竹取物語/冒頭、奥の細道/序文
・1107郊外/国木田独歩
・1101みそっかす/幸田文
・1111武蔵野/国木田独歩
・1203喧嘩治郎兵衛/太宰治
・1208風立ちぬ/堀辰雄
・1212転生/志賀直哉
・1306瘤取り/太宰治t
・1308路上/梶井基次郎
・1312ネコの事務所/宮澤賢治
・1404鹿狩り/国木田独歩
・1409与一の天のぼり/川崎大治
・1411そろばんじょうず・もち屋の禅問答/川崎大治
・1502芋粥・前半/芥川龍之介
・1505芋粥・後半/芥川龍之介
・1507扇の的と知盛最後/平家物語
・1511カチカチ山2人よみ/太宰治
・1602坊っちゃん(2)夏目漱石
・1605坊っちゃん(3)夏目漱石
・1608硝子戸の中(1)2/12/13夏目漱石
・1610硝子戸の中(2)31/32/36/37夏目漱石
・1701硝子戸の中(3)19/20/21夏目漱石
・1703交尾/梶井基次郎
・1706檸檬/梶井基次郎
・1711黄金風景・海/太宰治
・1801失敗園・花売り娘/太宰治
※参考
・記号づけ動画「十三夜」https://www.youtube.com/watch?v=HRBZFORH9_E&t=22s
・記号づけ動画「たけくらべ」https://www.youtube.com/watch?v=NWtVMAKDexk&t=40s
・記号づけ動画「黄金風景」https://www.youtube.com/watch?v=VUb-mwsT-x4&t=299s


posted by 渡辺知明 at 13:49| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月20日

2018年11月18日(日)第34回渡辺知明表現よみ独演会

2018年11月18日(日)第34回渡辺知明表現よみ独演会、今回のテーマは「ニーチェが日本近代文学に染み込んだ!」である。
わたしの好きな4人の作家、夏目漱石、太宰治、梶井基次郎、中島敦の勢揃いの特集である。
dokuenn34s.jpg
posted by 渡辺知明 at 09:38| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月06日

2018/11/9 川崎多摩朗読の会―表現よみ発表会

2018年11月9日(金)午後2時〜4時30分(川崎市多摩市民館)川崎多摩朗読の会発表会―夏目漱石、樋口一葉、谷崎潤一郎、芥川龍之介、志賀直哉、中島敦、太宰治などの作品を表現よみする。渡辺知明の「なるほど!表現よみ講座」もある。入場無料。181109川崎多摩朗読s.jpg
posted by 渡辺知明 at 18:30| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

18/10/26 「声で親しむ文芸―文学作品の表現よみ」川崎多摩表現よみの会

 2018年10月26日(金)午後2時〜4時30分(川崎市多摩市民館)「声で親しむ文芸」川崎多摩表現よみの会―夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介、太宰治などの文学作品を表現よみする。渡辺知明も参加して作品を読む。入場無料。
181026川崎多摩よみs.jpg
posted by 渡辺知明 at 18:25| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月08日

第35回表現よみオーの会公演のチラシ

2018年9月2日(日)第35回表現よみオーの会のチラシをアップする。
今回は、夏目漱石の生誕151年と太宰治の没後70年を合わせた特集である。
今回の目玉は、太宰治「舌切雀(お伽草紙より)」のドラマリーディングである。
わたしは独演会で演じたことはあるがドラマリーディングは本邦初演である。
チケットは一般1,500円、学割1,000円である。
●ドラマリーディング「舌切雀」YouTube
【参考】渡辺知明の表現よみ=「舌切雀」リンク
第35回チラシs.jpg
posted by 渡辺知明 at 22:19| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月29日

第33回渡辺知明表現よみ独演会=太宰治の陰にニーチェはいるか?

 2018年6月3日(日)第33回渡辺知明表現よみ独演会は、太宰治没後70年を記念して、太宰治作品特集である。テーマは、太宰治とニーチェとの関係である。
 太宰治には「二十世紀旗手」という作品があるように、その思想においても方法においても、近代思想への批判がある。わたしは太宰治の背後に近代思想の批判者であったニーチェの思想があると考えている。チケットの予約はメールでどうぞ。
180603dokuenn33s.jpg
●予告編「駈込み訴え」2018/5/11録音

posted by 渡辺知明 at 19:14| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月09日

渡辺知明の表現よみ録音CD=夏目漱石「夢十夜」全作品収録

渡辺知明が夏目漱石「夢十夜」の全編を収録した表現よみCDをご希望の方にお分けする。頒価1,140円(送料共)。全作品の試聴は、渡辺知明「表現よみ作品集」で聴ける。
ご注文はメールでどうぞ。
夢十夜CD画像001.jpg
posted by 渡辺知明 at 19:24| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月12日

渡辺知明「朗読を楽しもう!」オープン・セサミ/ブランド・ニュー・アイ

オープン・セサミ/ブランド・ニュー・アイ「朗読を楽しもう!」
2003年12月18日(木)9:30-50 JFN提供
ゲスト=渡辺知明/聞き手=山川 牧
【オープニング】表現よみ「てぶくろを買いに(新美南吉)」
――聴いていただきましたか。今日は朗読についてご紹介します。オープニングで朗読をしてくださったのは、本日のゲスト日本コトバの会の講師でコトバ表研究所を主宰なさいます渡辺先生です。おはようございます。よろしくお願いします。
渡辺 よろしくお願いします。

――いま小さい子どもの気持ちにもどって、もっと聴きたいと思いました。時間が限られているので申しわけありません。まず、朗読というのはどういうものですか? ひと言で言うと何でしょうか。
渡辺 朗読とはまず第一によむことです。声に出してよむことです。黙って読むのは黙読です。もうひとつ大事なのは、意味が分かってよむことです。よんでいる人も意味が分からなければならないし、聞いている人も意味が分からなくてはいけない。

――今の朗読には、お母さんのキツネと子どものキツネの声にいろいろな表情がついていますね。これにはテクニックは必要なのですか。
渡辺 文字を読んでしまう人がいます。字を読むひとや文を読む人がいます。また、台本のようによんでしまう人がいます。大事なのは作品なのです。だれかがしゃべっている調子でよむのです。そうすると表現して語る調子が出てきます。

――初めて朗読をする人に先生は何から教えてらっしゃるのですか?
渡辺 なにって?

――たとえば、私が朗読をやりたくて先生のところに行ったとします。そのとき、まずこれをしなさいというのは何でしょうか。
渡辺 「自分で意味が分かるようによみなさい」ということです。

――相手に伝えるときに……
渡辺 「相手に伝えるということは考えるな。自分が分からないものは相手に伝わらない」といいます。よんでいる瞬間、その都度、自分の中にイメージをわかしてよむのです。ですから、わたしは最初からでっかい声を出せということは言わないんです。「あなたは分かっているの」といいます。

――要するに、文章を目で追いかけるのではなくて、ちゃんと自分の気持ちに入っているかどうかですね。物語を選ぶのはどんな基準ですか。
渡辺 文章がいい作品のほうがよみやすいですね。

――文章がいい悪いというのは、初めての人には判断がむずかしいですね。
渡辺 ええ、一見して意味がとれないようなもののほうがやりがいがあります。それをほじくってよんでいくのです。オーラル・インタープリテーションというものがあります。つまり、声に出して文章の意味が分かることがよくありますね、むずかしい文章など。それが基本です。

――なるほど。
渡辺 だから、ちょっとちがいます、普通の朗読とわたしの考えとは。

――では、後半でも引き続きお話をうかがっていきます。

(休憩)

――オープン・セサミ、ブランド・ニュー・アイ。今日は朗読についてお送りしています。日本コトバの会の講師でコトバ表現研究所を主宰なさいます渡辺先生にお話をおうかがいしています。引き続きよろしくお願いします。
渡辺 よろしくお願いします。

――私ね、朗読って、思い出したんですけど、小さいときに母であったり、おじいちゃんであったり、よんでくれたってのがあるんですけど、そこから読んでもらうことがなかったのです。もちろん自分でよむのも大切ですが、朗読というのは昔とくらべて最近ではやられている人の数は多いのでしょうか。
渡辺 増えていますよね。目で読むよりも、自分自身が楽しいし、聴いている人も楽しいし、両方が楽しいからね。それで増えていると思います。

――若いかたも……
渡辺 若いかたは詩を読んだり、ポエトリー・リーディングというかたちですね。表現できますからね。学校でよむのは字面をよみなさいということで、字と漢字をよんでおわっちゃうけれど。表現できるのがおもしろい。ですから、わたしは朗読よりも「表現よみ」と言った方がいいと思っています。

――先生が朗読をしようと思ったきっかけは何だったのですか。
渡辺 わたしはもともと小説が好きで読んでいたのですが、声を出した方が小説がわかるなと思ったからです。

――たしかに、私の仕事がら原稿が出されますけれど、自分で声を出した方がはいりますものね。
渡辺 そうですね。また、小説の語り口という調子が声に出すことで確かめられます。歌でも楽譜をよんでもおもしろくないですね。

――歌ってみる。
渡辺 そうです。歌ってみる。それと同じです。

――生徒さんに教えてらっしゃって、朗読に向いている人、向いていない人というのはありますか。
渡辺 これには問題があります。自分が楽しむのか、人に聴かせるのかということです。自分が楽しむのだったら自分がよめばいいでしょう。それも朗読です。

――では、人を楽しませたいときに、先生がレッスンのなかで注意するのは何ですか。
渡辺 あのね、ウソをつかないことですね。つまり、自分の心に浮かんだ分だけ声に表現すればいい。心にもないのに大袈裟にいったらウソっぽく響くわけだから、まず自分が作品の中に入る。理解して自分がその気持ちになった分だけ声に出すのがいちばん大事です。

――声だけではなく気持ちがともなっていないとできないのですね。
渡辺 だから、読み込みが大事ということが言えます。

――初めてよむときは、先生に教わったり、生徒さんのなかでやるので恥ずかしさがあるでしょうね。
渡辺 ありますね。最初は恥ずかしいでしょう。大きい口をあけたり、ふだんとちがう言い方をしますからね。でも、作品の中にはいっちゃえば、恥ずかしさはなくなっちゃう。自分ではないのですから、「愛してます」なんて言っても、自分ではなく作品の中の人物が言っていると思えば、恥ずかしくなく言えますね。

――人の気持ちを、自分が代わって伝えるということでしょうかね。
渡辺 そうですね。

――朗読ってむずかしいことだと思います。書いた人や主人公の気持ちになって、言葉で発するわけですからね。コツというものはあるんですか。
渡辺 文章を正確によむことが大事ですね。そうしないで、目でパッと見て、単語に力を入れてみたりする。文章をよくよめば力の入れどころはわかるんです。意味を強めるところです。何度も繰り返してよみながら、表現までしていくということをすれば、うまくいく。

――読解力ですね。
渡辺 そうです。

――私も勉強しなくちゃ(笑)。先生のすすめられる初心者用の朗読本を教えてくださいますか。
渡辺 太宰治の書いた「思い出」という作品です。これは初心者でも気持ちがすっとはいれます。あとは、志賀直哉の作品、どれもよく文章が書けています。一見やさしいけれども読む込むと深い。わたしが好きでオススメするのは、梶井基次郎と中島敦の作品、これは文章がとてもどちらもすばらしい。味わえます。

――なるほどね。あっ、今日、先生に朗読していただいた作品を紹介するのを忘れていました。新美南吉「てぶくろを買いに」という作品でした。こちらを選んだポイントは何だったのでしょうか。
渡辺 やさしさですかね。自分が子どもにもなれるし、お母さんにもなれる。それがみなさんにどう伝わったかが問題ですけれど、やさしさがいいですね。

――十二月のこの気ぜわしい時期に、ほっとしたやさしい気持ちと、ちょうど雪も出てきましたし、時期に合ったのじゃないかな。先生はいろいろな講座を開いていらっしゃいますが、地方講演などはなさるのですか。
渡辺 お呼びが掛かればどこへでも出かけますよ。来年は福島へ行くかなという予定があります。わたしのグループで朗読劇的なものをやろうかという話が出ています。まだ固まっていません。

――決まったら、このオープンセサミでもお知らせしたいと思います。では、最後に朗読に関するアドバイスをお願いします。
渡辺 簡単なことです。頭を使ってよみましょう。カラダでよむ朗読が最近、流行っていますが、カラダにプラスして頭が必要です。読解も必要だし、作品を読み込むことは理解することです。理解が表現になったときに、ウソをつかない本物の朗読ができるかと思います。

――渡辺先生の前で私が朗読したら、「この子はこんなことを考えているな」って、性格分析までされちゃいそうですね(笑)。では、みなさんもぜひ朗読にチャレンジしてみてください。今日は日本コトバの会の講師でコトバ表研究所を主宰なさいます渡辺先生に朗読、教えていただきました。ありがとうございました。
渡辺 ありがとうございました。

――しゃべるのに、緊張しました。それでは、こちらの曲を聴いていただきます。(了)
posted by 渡辺知明 at 22:04| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

渡辺知明=日本語について考える「ヒルサイド・アヴェニュー/シュガー&スパイス」

「ヒルサイド・アヴェニュー/シュガー&スパイス」
2004年2月17日(火)15:20-40 JFN提供
ゲスト=渡辺知明/聞き手=西任暁子(にしと・あきこ)
同時録音公開 ※2018年3月12日(月)話の背後の音楽がうるさい
――ヒルサイド・アヴェニュー。この時間はさまざまなジャンルの方がたをお招きしてお送りしていきます。シュガー&スパイスです。きょうは、コトバ表現研究所主宰、そして日本コトバの会講師そして事務局長でもいらっしゃいます渡辺知明さんをお招きしています。よろしくお願いいたします。
渡辺 よろしくお願いします。

――まず、コトバ表現研究所これはどんな会なのか、気になるところなんですが、先生が運営されているのでしょうか。
渡辺 そうです。わたしがほとんど全部やっています。

――これはどんな研究所なのですか。
渡辺 基本的には二つのことをやっています。一つは、よみの勉強。一般には朗読といわれていますけれども、わたしは表現よみと呼んでいます。文学作品を取りあげて、その表現の仕方を教えています。もう一つが、文章を通信で添削して、さらにトレーニングをさせて書く力を高めることをやっています。よむ方は話す力が高まるし、書く方は考える力が高まります。そういう研究をしています。

――やっぱり読んでいくと話す力って高まるんですか。
渡辺 中身をしっかりつかんでよむと話す力が高まる。文字だけではいくらよんでもダメです。文字を読んでいる限りは、結局、考えていませんから。

――結局、文字をなぞって内容はよくわかっていないということになるわけですね。
渡辺 ですから、理解しながらよむというのが表現よみの特徴になっています。

――朗読と、表現よみとは、どういうちがいがあるのでしょうか。
渡辺 朗読は基本的には伝えることが重点です。ですから、発声や発音などに重きがあります。ところが、表現よみの場合には、よみ手自身が必ず自分で理解しながら読んでいかなくてはいけない。ですから、一回一回ごとに新しい発見をしながらよんでいくこと、そういうよみです。

――表現よみも他者に対して伝えるという意識はあるんですね。
渡辺 そうですね。

――と同時に、自分自身がちゃんと理解した上でということですね。
渡辺 つまり、理解があってそれが表現になるのです。自分が分かっているものを、人に向けてデフォルメするというか、アピール度を高めていきます。朗読の人はむしろはアピールを先にやってしまいます。自分自身が理解するという点が弱いのではないかと、わたしは思っています。

――それで表現よみというのですね。
渡辺 はい。

――書くことでは、どういうかたが通信の添削を受けているのですか。
渡辺 一般の社会人の方ですとか、おとなの方が多いのですけれども、要するに学校教育の中では十分に勉強できなかったという思いのある人が多いですね。

――それは、たとえば企画書だったり、手紙だったり、内容はどういうものなのでしょうか。
渡辺 あらゆるものを受け付けていますが、基本的トレーニングは思考力です。文をどう作るかとか、文と文とをどうつなげるかというベースになるところをトレーニングで訓練しています。

――作文とか論文に近いかたちのものなのでしょうか。
渡辺 作文も論文も文章を作るのですが、考えること、文章を使って考えるトレーニングです。表現が微妙ですが、そういう添削トレーニング教室というものを行っています。

――そういう読み書きの指導していながら思われる日本語というものに対しての最近の、傾向はどういうものなのでしょうか。
渡辺 よく乱れているといわれますが、わたしは二つの面があると思います。一つは能力不足で乱れているガンです。もう一つは、異議申し立てというか、批評になっているものです。世の中の言葉づかいに対する批評の面があります。それは若い人も含めてのことです。両面があることをきちんと見ていかないと、ただけなしてもいけないし、ただ受け入れてもいけないと思います。

――能力不足というのはどのあたりが原因なのでしょうか。
渡辺 一つは、学校教育、とくに国語教育にあります。

――国語教育ってそんなに変わってきているものなのですか。
渡辺 わたしは深くは知りませんが、とにかく一般の人で、書く力、話す力に自信がないという方は残念ながら多くなっていると言えます。

――実際に、書く訓練、読む訓練というものをした記憶はないですものね。
渡辺 そうですね。朗読にしても、学校ではただ字を追って早くよめると、この人はすばらしいというのですね。

――たしかに、速くまちがえずに読めばすばらしかったという経験はありますね。
渡辺 先生も能率がいいのです。すらすらよめる読める生徒を指すと授業がすすむのです。でも、ゆっくり読んでいても、何か気持ちの入っている生徒というのはいますよね。一生懸命に考えて読んでいてね。

――先生が、時間を割いていないのですね。
 まだまだ日本語のことをおうかがいしていきたいと思いますが、ここで一曲、リクエストをお送りしたいと思います。どんな曲なのでしょうか。
渡辺 題名を言うのですか。

――はい。
渡辺 五つの赤い風船の「遠い世界に」という曲です。学校の教科書にも入っていますけれども、もう三十年も前の曲です。理想を歌った曲で、わたしが若いころ聞いて感動して、いまだに感動し続けている曲です。

――それでは聞かせてください。「遠い世界に」。
(五つの赤い風船「遠い世界に」西岡たかし作詞・作曲)

――シュガー&スパイス。曲をお届けいたしました。今日はこの曲にリクエストをいただいた、コトバ表現研究所主宰、日本コトバの会講師兼事務局長の渡辺知明さんをスタジオにお迎えしております。
 さあつづいて、日本コトバの会、こちらの方も話をおうかがいしたいのですが、どういう会なのでしょうか。
渡辺 昭和二十七年にできまして、今でも売れている本なのですが、『思考と行動における言語』(岩波書店)という言語学の基本的な本と言われています。これを――

――教科書としても使われているのですね。
渡辺 そうです。この翻訳をした大久保忠利という人が中心になって、翻訳の記念に読書会を開きまして、有名な人では鶴見俊輔さんなどそうそうたる学者がそろって作った会なのです。今でも、もう五十年になりますけれども、文章・話し方・表現よみ・小説・文法・ユーモア・言語心理という風にいろいろな部会を作りまして、そこで毎月、例会を開いています。

――どういう方が参加されているのですか。
渡辺 大学の先生もいますし、一般の主婦とか、あるいは社会人、あるいは学生とか、さまざまの人が勉強する会です。

――なるほど、日本コトバの会での「生きたコトバの四原則」というのがあるんですね。「正しく、分かりやすく、切れ味よく、ふさわしく」。こう言われると何かできそうな気がするのですけれども……。
渡辺 話し方についてコメントしますと、「正しく」は、単語のアクセントを強めるとか、きちんと文のかたちで話すとか、正しい内容を話す努力をすることです。二つめは、「わかりやすく」というのは、発声とか話し方ですね。文末までしっかり言うこと、そうすると責任が生じますので、三つめで、論理といいますが、「こうなのだ。つまり……」とか、「なぜなら」とか言いたくなりますね。それが「切れ味よく」です。四番目が、その場その場にふさわしい感じで話しましょう。

――「感じ」? 雰囲気……。
渡辺 「雰囲気」、「態度」ですね。

――これは、できてないんではないでしょうかねえ。
渡辺 これは目標です。

――日本語では、どんどん略していますね。ちゃんと語尾まで話しませんよね。アイマイですよね。
渡辺 アクセントが平板化していますね。節約してしまう。美人、映画、ドラマとか言いますが、あれは、ビジン、エイガ、ドラマです。

――あっ、エイガなのですか。
渡辺 そうですね。きれいですね。頭にきちんとアクセントをつけるとね。それも一つですね。アクセント一つで、ことばが生きてきます。これもただ上げるのではなく、強めるといいのです。アクセントは。

――なるほどね。
渡辺 そんなことも、コトバがきれいになる一つの条件だと思います。

――それではきれいな日本語というものを、ぜひ一つ聞かせていただきたいのですが、先生が提唱していらっしゃる表現よみをしていただけるということで、梶井基次郎作「愛撫」ですね。それではよろしくお願いいたします。
(梶井基次郎「愛撫」冒頭)

――はい、ありがとうございます。最近、自分が聞いていた日本語とちがう、さっきおっしゃった美しくて、正しく、わかりやすく、切れ味よくてという、いろいろな要素が感じられました。
渡辺 ありがとうございます

――これは何回も読み込んでいるのですか。
渡辺 あまり読んでしまうとダメなのです。よく暗記する人がいますが、暗記してしまうとだめなのです。思い出すだけで終わってしまうのです。わたしの場合は、できるだけ隠しておいて、いつでも初めて見るつもりでドキドキしているのです。次にどんな文章が出てくるのかなという期待感がないとダメなのです。見た瞬間に反応して、自分の心が揺れて来ないと、うまく読めないのです。そんな読み方につとめています。

――普段は自分は日本語がしゃべれるので、英語など外国語に意識が行きがちだと思うのですが、日本語をもっと美しくしゃべりたいなと思った人は、どのあたりから始めればよいでしょうか。
渡辺 「三つの訓練法」というのを言っています。一つは、音読してみましょう。声を出して読んでみましょう。最初から表現よみとは言いませんから。新聞のコラムを、わたしは毎朝トイレの中で声に出して読んでいます。

――声に出して?
渡辺 声に出して。それも、大きい声を張る必要はありません。自分で内容をキャッチできた分だけ声に出してみるのです。しっかりと瞬間ごとに理解できているかと意識しながら読むのです。たどたどしくていいのです。これが一つです。もう一つは、大学ノートでいいですから日常的にしゃべるつもりで書く練習をするといいのです。書く力が話す力に転化します。相互作用です。もう一つは、本を読むときに印しをつけましょう。べつに三色でなくてもいいので、一色で結構ですから、丸をつけたり、線を引いたり、波線をつけたりするのです。今わたしの手もとにさっきよんだ台本がありますが、これにはいろいろな印しが付いています。文章を区切ることによって、音楽を理解するときに楽譜を音に変えるようなつもりで印しをつけていくのです。

――たしかに、わかりやすいですね。その三つぜひやっていただきたいですね。ちょっとCMをはさんで、先生の今後のご予定など聞かせていただきたいと思います。
(CMが入る)

――ヒルサイド・アヴェニュー、引き続きコトバ表現研究所主宰、日本コトバの会講師兼事務局長の渡辺知明さんをお迎えしています。
 やってみます、わたしも、朗読!
渡辺 はい、お願いします。わたしの教室にも、アナウンサーのかたが来ています。

――そうなのですか。アナウンサーのかたの読むものとはちがうのですよね。
渡辺 本当の意味でのコトバの訓練ができます。わたしは「心とコトバの一体化」と呼んでいます。一体化した表現がいちばんいいのです。

――今、ここに台本があるのですけれども、わたしも、初見でもいろいろな記号が付いているので読みやすかったです。一度もまちがえることなく読めてしまって。
 その記号なども、先生のホームページに書かれていますので、ぜひみなさんもそちらからご覧になってみてください。それから先生、今後のご予定などありましたら教えていただけますか。
渡辺 三月六日に、「第5回・渡辺知明・表現よみ独演会」というものがあります。会場は山手線の大崎駅前です。駅で降りてすぐです。

――そちらも詳しくはホームページをご覧になっていただきたいと思います。では、最後にもう一曲、先生のリクエストをお送りしたいと思います。これはちょっと変わったタイトルですね。どういう曲なのですか。
渡辺 「しらみの旅」ですね。シラミは今はいなくなったそうですけれども、われわれもシラミのように旅をしているのではないかと、そういうことを三十年前くらいに歌った人がいました。

――高田渡さんですね。はい、「しらみの旅」を聞きながら先生とお別れです。どうもありがとうございました。
渡辺 どうもありがとうございました。(了)
posted by 渡辺知明 at 09:24| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月09日

えびなコトバの会=第3回表現よみ発表会

 2018年3月15日(木)えびなコトバの会の第3回表現よみ発表会のチラシ。
 コトバの会のめざすものは朗読ではなく、表現よみなのである。創立四年目の第3回発表会である。
 渡辺知明も講師として一作よんでから表現よみについての話をする。180315チラシ001s.jpg
posted by 渡辺知明 at 11:29| Comment(0) | 表現よみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月23日