今回の落語風は二度目のとりあげです。第一回よりもよりくだけた「語り口」でよんでみました。これは、学校での教科書読み上げ風の朗読とは対極にあります。これを機会にそのちがいを考えてみましょう。
あらためて、学校風の朗読と今回のくだけた落語風とを比較してみましょう。
学校風の特徴は、必ずよみの止めの最後の音(オン)にアクセントをつけるところです。句読点の手前の音が機械的に高くなったり強くなったりします。そのほかの音(オン)はただ、文字を声にするだけなので、語句の意味はとらえられていません。
そのあたりを意識して、あらためて教科書読み上げ風の朗読をお聴きください。
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それに対して、落語風のよみでは、ことばの最初から意味を予告するような柔らかさがあります。それは自らが何を語るのか文頭で意味が理解できているからです。しかも、よみ止めのところはしっかりとめられていますが、まったく機械的ではありません。聞き手への親しみをこめた語りかけの表現になっています。
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講談がやや高みからの語りかけであるのに対して、落語は対等の立場からの語りかけといえるでしょう。わたしが「落語は日本のシェイクスピアである」と主張するゆえんです。(つづく)