2007年11月29日

朗読批評講座(8)落語風と学校風の差

 このシリーズのきっかけは、「蜘蛛の糸」をテキストにして朗読の実験的なパターンを16通り録音してみたことです。そして、わたしの「蜘蛛の糸」のよみをまとめとして示しました。(参考=『Web表現よみ入門』

 今回の落語風は二度目のとりあげです。第一回よりもよりくだけた「語り口」でよんでみました。これは、学校での教科書読み上げ風の朗読とは対極にあります。これを機会にそのちがいを考えてみましょう。

 あらためて、学校風の朗読と今回のくだけた落語風とを比較してみましょう。

 学校風の特徴は、必ずよみの止めの最後の音(オン)にアクセントをつけるところです。句読点の手前の音が機械的に高くなったり強くなったりします。そのほかの音(オン)はただ、文字を声にするだけなので、語句の意味はとらえられていません。

 そのあたりを意識して、あらためて教科書読み上げ風の朗読をお聴きください。


 それに対して、落語風のよみでは、ことばの最初から意味を予告するような柔らかさがあります。それは自らが何を語るのか文頭で意味が理解できているからです。しかも、よみ止めのところはしっかりとめられていますが、まったく機械的ではありません。聞き手への親しみをこめた語りかけの表現になっています。


 講談がやや高みからの語りかけであるのに対して、落語は対等の立場からの語りかけといえるでしょう。わたしが「落語は日本のシェイクスピアである」と主張するゆえんです。(つづく)
posted by 渡辺知明 at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 朗読批評講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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