2007年10月30日

朗読批評講座(3)講談風朗読のテクニック

 このシリーズのきっかけは、「蜘蛛の糸」をテキストにして朗読の実験的なパターンを16通り録音してみたことです。そして、わたしの「蜘蛛の糸」のよみをまとめとして示しました。

 第3回目は講談風です。このよみ方の特徴はよみ出しの2音節目を高く強くよむことです。そのときにノドと腹との力を入れるところに特徴があります。まずは、わたしのよみをお聞きください。

 このよみ方はよみ方の表現技法として取り入れるべきものです。「蜘蛛の糸」のペースにもなっています。ほかに、森鴎外「最後の一句」などは、講談風文学の典型です。樋口一葉の全作品もこの調子です。

 日本の伝統的な「語り」は説経節を原点としています。説経節とは仏教の講話を通じて信者を啓蒙するという語り芸です。ここから講談風の「語り」と落語的な「語り」が分岐したと言われます。「蜘蛛の糸」の場合は、内容からいっても説経節そのものです。

 講談風の「語り」の訓練として次のよみかたがあります。太字の音(オン)をノドで飲み込むようによみます。

  ふるいけや(ふドゥいけや)
  かわず(かず)
  とびこむ(とこむ)
  みずのおと(みドゥのおと)

 このパターンを身につけたら、普通の話しコトバでも、このパターンを話せるようにします。次のようになります。太字が高く強くよむ音(オン)です。

 こ パターンを 身 つたら、ふつうの はし トバでも、こ パターンを はせるように しす。

 「語り口」の10種類については、『Web表現よみ入門』をご参照ください。
posted by 渡辺知明 at 22:04| Comment(0) | TrackBack(1) | 朗読批評講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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