┌―言語的脈絡(=文脈)
発話の脈絡 ┤
└―非言語的脈絡=(1)場面、(2)文化的・社会的背景
音声言語として朗読で問題になるのは「場面」である。言語的な文脈は特別な声の表現は必要ない。音声訳やアナウンスでも不十分ながら伝わる。だが、非言語的な脈絡の「場面」は、声で表現せざるを得ない。その原則は次のようなものである。ここに文学作品の「語り手」を声で表現するための基礎がある。(朗読にかかわる要素を太字で示す)
「話し手/書き手 ・ 聴き手/よみ手が だれで いつ どこで 文章が書かれた/談話(語り)が 行われたか?」(前著108ページ)
これはオーラル・インタープリテーション(口頭解釈)においても原則とされている。わたしはここから「語り口」の10通りというものを導き出して紹介している。(参考『Web表現よみ入門』の「「語り口」の10種類」)
作品に的確な「語り口」が設定されて表現されたときに声の表現は実現する。そのとき、それは朗読ではなく表現よみとなっているのだ。