2007年03月23日

録音のための作品の構成―『ロシアのクリスマス物語』を例に

 昨年の暮れに、わたしは表現よみO(オー)の会のメンバーとともに、CDブック『ロシアのクリスマス物語』(2006群像社)を刊行した。同じタイトルの書籍『ロシアのクリスマス物語』(田辺佐保子訳、1983群像社)クリスマスにちなんだロシア文学の作品から5つの作品を選択して、そのよみを録音したものである。
CDブック ロシアのクリスマス物語
CDブック ロシアのクリスマス物語シメリョフ ソログープ クプリーン

おすすめ平均
stars表現としての「朗読」作品

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 読まれている作品は次のとおりである。( )はよみ手。シメリョフ「クリスマス」(佐藤絹代)、ドストエフスキイ「キリストのヨールカ祭に招かれた少年」 (渡辺知明)、ソログープ「雪娘」(黒部二三四)、ブーニン「イーダ」(山口葉子)、クプリーン「クリスマスの列車で(車両長)」(吉野由美子)

 じつは、このCDブックには、録音のテキストがついている。その文章はオリジナルの書籍の作品とはちがうものである。解説にも書かれているように、もともとの翻訳をそのまま使うのではなく、書き換えたのである。その目的はいくつかある。

 第一は、時間の長さの制約である。第二は、耳で聞いたときの理解のしやすさである。第三は、声の表現を効果的にする文章表現である。作品を目で読む場合、読み飛ばしということができるが、耳で聞く場合には、聴き飛ばしはむずかしい。以上の三点は、聴き手の負担を減らすということに関わる音声表現の原則ともなるのである。

 この作業は、おもにわたしが当たったのであるが、次のような手順で行われた。まず、翻訳者からの許可を得て、編集者が作品の抜粋を作成した。わたしも原稿に手を入れる許可をもらって、音声表現のための作品の再構成をした。いわゆる朗読CDを作成する場合、このような作業は不可欠だと思われる。

 現在、『ロシアのクリスマス物語』の原著作もCDブックも入手できるので、双方を比較して録音版の作成の参考にしていただければ幸いである。
ロシアのクリスマス物語
ロシアのクリスマス物語イワン・セルゲーエヴィチ シメリョフ ミハイル・ミハイロヴィチ ゾシチェンコ ヴラジーミル・ヴラジーミロヴィチ ナボコフ


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posted by 渡辺知明 at 13:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 文章表現 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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