読んでいるときのイントネーションと話しているときのイントネーションは根本的なちがいがあります。読んでいる時にはイントネーションは上り階段になります。それに対して、話し手いる時にはイントネーションは下り階段になります。次の図をご覧ください。

これは、テレビのナレーションやアナウンスでも同様です。アナウンスが、不自然なイントネーションに聞こえるのは、日常生活とはちがった上り階段のイントネーションで読んでいるからです。
残念なことには、その調子が子どもたちに語りや読みきかせをしているひとたちにも影響を与えて、上り階段のイントネーションで語る人たちが大勢いることです。
そのような語り方には、自分に親しく話しかけられているという感じはしないものです。音声表現の基本的な出発点は、この上り階段のイントネーションから下り階段のイントネーション上の転換にあるといえるでしょう。