2010年01月03日

アクセントとイントネーションの正しさ

 音声表現において、アクセントの正しさということは問題にされますが、イントネーションの正しさということはほとんど問題にされていません。

 読んでいるときのイントネーションと話しているときのイントネーションは根本的なちがいがあります。読んでいる時にはイントネーションは上り階段になります。それに対して、話し手いる時にはイントネーションは下り階段になります。次の図をご覧ください。

intonation.jpg わたしたちは日常生活では下り階段のイントネーションで話をしています。しかし、ひとたび文章を目にしてしまうと、どうしても上り階段のイントネーションで読んでしまうのです。

 これは、テレビのナレーションやアナウンスでも同様です。アナウンスが、不自然なイントネーションに聞こえるのは、日常生活とはちがった上り階段のイントネーションで読んでいるからです。

 残念なことには、その調子が子どもたちに語りや読みきかせをしているひとたちにも影響を与えて、上り階段のイントネーションで語る人たちが大勢いることです。

 そのような語り方には、自分に親しく話しかけられているという感じはしないものです。音声表現の基本的な出発点は、この上り階段のイントネーションから下り階段のイントネーション上の転換にあるといえるでしょう。
posted by 渡辺知明 at 14:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 音声表現 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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