2009年03月29日

「銀河鉄道の夜」の推敲と添削

 ここ数日「銀河鉄道の夜」の添削をしている。読めば読むほど、この作品が推敲途中であることがますますハッキリしてきた。それは雑誌に発表された完成度の高い作品と比較するとよく分かる。文章としたら「グスコーブドリの伝記」や「セロ弾きのゴーシュ」などは見事なものである。

 「銀河鉄道の夜」の添削の場合、いくつかの原則が明確になっている。実例は省いて項目とそれにたいする対策とを挙げておこう。事例については、添削画像から読みとってほしい。「銀河鉄道の夜」の添削

 1.修飾語がいくつも重なっている→3つくらいの修飾語を1つにするか、すべて削ってしまう。
 2.修飾語の語順がよくない→とくに連用修飾語の位置がよくないので用言に近づける。
 3.基本的な文素がイメージを喚起する順序に対応していない→イメージの喚起にしたがった順序にする。
 4.思いつきの語句を修飾語に使う(もう、ほんとに、まるで、やっぱり、など)→原則として削る。
 5.色彩に関する描写を細かく書こうとするあまり逆に対象のイメージを弱めてしまう→色彩を減らすか、色彩の表現を削る。
 6.「……のでした」の強調→多くの文末がこのかたちである。断片的な文のそれぞれを目立たせようとするので文章としてのまとまりを見失わせる。「でした」「ました」の文末に整えた。
 7.接続助詞を多用して文が長くつながる→論理が乱れて、歯切れのわるい文章になる。文を切り分けから接続語を使って論理的につないだ。

 とりあえず、このあたりを中間報告としておく。この続きは、別の機会に書くことにする。

posted by 渡辺知明 at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 本と読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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